ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―ハンガリーの絵本)
おすすめの年齢:4・5・6・7
すぐに泣いてしまう弱虫なラチのもとに、小さな赤いライオンがやってきます。
小さいけれども強いライオンと一緒にトレーニングを積んだり、励まされながら「自分でやる」ことを身につけてゆくラチに、読んでいる者も引きつけられます。
目に優しいシンプルな色づかいで、和ませながらもこの絵本の本質は「自分で努力する」というの大切さを語ってくれているように思える絵本です。
自我が芽生える頃に読み聞かせると、心に響くのではないでしょうか。
保育所にあった絵本を、お迎えのタイミングで子どもが読み聞かせて欲しいと、私に持ってきた絵本です。
そこはお迎えの時に、保育所内に親も入り、少し遊んだり見学したり、絵本を読み聞かせたり出来る保育所でした。
たくさんの絵本をそこで読み聞かせ、その保育所で出会わなければ全く知らない絵本でした。
頻繁に読み聞かせて欲しいとねだるので、最終的には購入することにしました。
最初はただ単純に「小さなライオンが強い」ということをおもしろがっていたようですが、読み聞かせを終える度に「どこが面白かったですか?」「どこが好きですか?」と聞くと、内容を考えるようになってきたようでした。
ラチのお洋服がおもしろい。
ノッポの落とし物がおもしろい。
ライオン強い。
そんな簡単な感想ですが、その私とのやりとりも子どもにとっては楽しかったようです。
少しだけ成長したある時に「嫌な子がいる。」という報告を子どもから受けました。
めったに悪口を言わない子だったので、心配になってゆっくり話を聞いてみたら、
絵を画いてもばかばかしにされる。
なにかぼくが言っても否定される。
体が大きいから怖い。
という感じで、よくあるような小さな事の積み重ねでした。
どのように伝えると、子どもにとっては良いのだろうかと考えた時に、「ラチとらいおん」の絵本の事を思い出したので、読み聞かせすることにしてみました。
しばらく間があいて、読んでいなかった絵本でしたが、たくさん読んだ土器のやりとりを覚えていたのか、黙って聞いていました。
「どう思った?
お父さんとお母さんがあなたが苦手だと思ってる子に何か言った方がいい?」
少し難しいかも?とは、思いましたが、選択肢をわが子に与えてみました。
少し考えて出した答えは「もうちょっと頑張ってみる。」というものでした。
これが子どもにとって正解だったのかどうかは分かりません。
でも、何か自分で感じ取って欲しいというのが願いでしたので、答えに近づけたのではないかと思っています。
あれから随分大きくなってしまった今は、なぜがずっと同じクラスでも、大の仲良しにはなりませんでしたが、嫌な気持ちにならない丁度良い関係を築けているようです。
ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―ハンガリーの絵本)