おすすめの年齢:5歳以上
ないたあかおにのあらすじ
はまだひろすけ著『ないたあかおに』はいくつかのバージョンがあり、同じ原作に幾人かの画家の方が絵をつけておられます。私がおすすめすするのは、いけだたつお絵のバージョンです。あらすじは、心の優しいあかおにが村の人間と仲良くなりたいのに、鬼だ、怖いと恐れられ、友達ができず悩んでいたところ、親友のあおおにくんがあるアイディアを思いつき、助けてくれるというおはなし。自分が悪者になってまで、親友のあかおにを助けようとするあおおにくんに本当の優しさや勇気を教えてもらった気がします。
ないたあかおにを読み聞かせた我が家の感想
私が子どもの頃から大好きで、ずっと持ち歩いている絵本がこの『ないたあかおに』です。
絵の雰囲気も素敵ながら、内容が深く、大人になっても読むたびに切なくなり、いろいろと考えさせられます。息子ができて、この本を読み聞かせる日を楽しみにしていましたが、3,4歳の頃はまだイマイチ内容がわからなかったらしく、反応が薄かったです。7歳になってようやくストーリーの意味がわかってきたらしく、この頃は読み聞かせたあとにちょっと考えるような顔をしています。
まだまだおにが雲にのって移動するシーンに単純に面白がったりしてはいますが、あかおにくんが怒って、一生懸命つくった看板を壊してしまったのはなんで?どうしてあおおにくんは遠くに行ってしまったの?などと質問されます。
村の人はどうしておには悪いって決めつけてしまうのかな?自分たちと見た目が違うから?
見た目が違うと怖い?どうしてかな?
あかおにの気持ちになってごらん、お友達になりたくて一生懸命お菓子を用意したのに、こわーいといって逃げて行かれたらどんな気もかな?
あおおにくんのように、自分が嫌われても、お友達のためにいいことをできるかな?
などなど、私も子どもに質問をして、一緒にいろいろと考えてみます。
内容が薄い本だと、たとえ子どもが気に入っていても、何度も読み聞かせるのは正直しんどいですが、この本はそこまで長いお話ではないのに、一遍の物語を読んだような満足感があります。シンプルなのに、本当の優しさや勇気という普遍的なテーマを含んでいて、大笑いするポイントもないけれど、最後まで飽きずにドキドキ聞き入ってしまう。いつまでも読み継がれるとても素敵な本だと思います。
いつか息子にもあかおにくんとあおおにくんのような親友ができる日がくるのかな。大きくなったときに、このあかおにくんとあおおにくんの友情のおはなしをちらっと思い出してくれたらいいな。「お友達には優しくしようね」と何度も言い聞かせるより、この本を1冊じっくり読み聞かせた方がわかってもらる気がします。