絵本タイトル:100万回生きたねこ
おすすめの年齢:7歳
100万回生きたねこのあらすじ
何故か死んでも生き返る小憎たらしいオス猫が主人公です。
生きている時代や飼い主が毎回変わるものの、毎回猫はただ淡々と自分の飼い主のことを語り、死にます。
そこに一切の感情は感じられず、ただ猫の語りのみで物語りは進んできます。
しかし、ある時猫は飼い主を持たない猫になります。
自由な猫になって、初めて愛すべき存在である白い猫に出会うのです。
そこで初めてオス猫に感情が芽生え、その愛する存在を失うことで本当の愛を知る話です。
とても悲しくて切ない話ですが、名作だと思います。
100万回生きたねこの絵本を読み聞かせた時の体験談
昔から私がお気に入りの絵本で、いつか子供に読んであげたいと思っていました。
最初に息子に100万回生きたねこを読み聞かせたのは、彼が幼稚園の頃でした。
その時は毎回猫の飼い主が変わるテンポの良さと、コントのようにあっけなく猫が死ぬところがおもしろかったようで、息子は笑って聞いていました。
しかし、小学生になった息子がある日学校で100万回生きたねこを借りてきました。
昔、私が読み聞かせたことを覚えていたようで、お母さんの好きな本が学校にあったからと言っていました。
そこで「お母さんと一緒に読もうか」と声をかけ、読み聞かせをすることにしました。
昔は笑っていた飼い主がコロコロ変わるシーンでも、ネコがすぐに死んでしまうシーンでも真剣な顔で話を聞く息子。
その後、飼い主のいない自由なネコになった所から、「なんだか今までと違うね」と言いはじめました。
白いネコと出会って幸せに暮らすものの白いネコが死んでしまう所では目を潤ませていました。
最後まで読んだ後「どう思った?」と息子に聞いたところ、「ネコはやっと死ねたんだね」と言ったのが印象的でした。
息子は、何回も生き返るのは幸せじゃない、むしろ生き返ってしまう自分の運命に主人公はうんざりしていたように感じたそうです。
最後に好きな人ができて、それでやっと終われたと感じたと言っていました。
小学生になった息子の情緒が親の想像以上に育ってくれていたようで、親としてうれしかったです。