まり (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)
おすすめの年齢:一歳半〜三歳くらい
可愛らしい顔の「まり」が主役の絵本です。まんまるの「まり」がコロコロと転がっていき、やがて崖から落ちてしまいます。
それからバットにぶつかった「まり」は、ペシャンコになったあと、四角い形に変わります。かっくんかっくんと転がっていく「まり」。今度は水の中へ…。
沈んでしまった「まり」。いなくなったと思っていたら、水たまりからプカっと顔を出すのです。その姿はまんまるの形に戻っていました。
カラフルで分かりやすいイラストに、最小限の文字。自由自在に形を変えていく「まり」に、子供も釘付けになること間違いなしです。
3. その絵本を読み聞かせた時の体験談を教えてください。(800字以上 2,3行ごとに空行をいれて下さい)
我が家の二歳半の娘はこの絵本が大好きで、「一緒に読もう」とよく私のところに持ってきます。一ページ目にまあるい「まり」が現れると、娘はそれだけで大喜び。
素朴で可愛らしい顔をした「まり」。コロコロと転がっていく様を見て、娘は「どこに行くのー?」と言いながら、ワクワクを抑えきれない様子。
やがて崖から落ち、バットに打たれてペシャンコになった後、突然サイコロのように四角い形になってしまう「まり」。この予想外な展開に、娘はもう釘付けです。次は?次は?とページを自分でめくります。
四角くなって、かっくんかっくんと転がっていく「まり」。今度は水たまりに落ち、姿を消してしまいます。「まり」のいないしーんとしたページを見て、娘も「いないねぇ」と心配そうな顔をします。
次のページをめくると、水たまりからぷかっと何かが顔を出します。それを見た娘は「いたー!」と大喜び。水たまりから出て来た「まり」は、まあるい形に戻っていました。
まあるい形に戻った「まり」を見て、娘もきゃっきゃっと笑って、とっても嬉しそうな様子。「まるに戻ったねぇ」なんて言って、私に教えてくれたりします。文字が少ない分、子供が感じたことを自分で言葉にしたり、話してくれたりするので、親にとっても楽しい絵本です。
はらはらしたり、思わぬ展開に笑ったり、短いお話の中でも色々な体験が出来る絵本です。姿を消してしまった「まり」を心配したり、ちゃんと戻ってきたら、嬉しくて喜んだり…。「まり」を読み聞かせている時の子供の反応は、純粋そのもの。
様々な感情を育むことが出来る素敵な絵本だと思います。また、丸や四角など、絵本を読みながら形の勉強ができる点も気に入っています。
ぱきっとした色使いと、シンプルで分かりやすいイラスト。文字が読めない小さな子供でも、イラストを見るだけで話の内容が理解できると思います。子供が自分から読んでみたい!と思える、とても良い絵本です。