おすすめの年齢:6歳以上
ある日、家にかえるとりんごがありました。
このりんごは、もしかしてりんごじゃないかも知れない。
もしかしたら、ぼくから見えない裏側は、みかんかも知れない!
作者のヨシタケシンスケ氏のイラストがとても可愛らしい絵本ですが、予想の上をゆく哲学的絵本です。
子どもたちと本屋さんへ行った時に、平積みしてあった絵本。それが、「りんごかもしれない」でした。
試し読みとして透明なフィルムのかかっていないものがあったので、さっそくその場で試し読みをしました。
今まで読んでいた幼児むけ絵本とは一線を画するもので、本当に驚きました。
可愛らしいのに、「今見ている事実は事実なのかい?」と、りんごを哲学のように、上下左右からだけではない「かも知れない」理論で、観察と想像をするのですから。
その場で子どもにも読み聞かせみたら、すっかり気に入ったからと、自分のお小遣いで買いました。
自宅で何度も何度も読み返して、保育所の先生にも「こんな本を読んだ。」と、張り切って報告したところ、先生から「貸してもらえないか」と打診がありました。
細かな書き込みが多く、それも面白い絵本なので、たくさんの人数に読み聞かせするのは難しいかと心配していましたが、さすが保育所の先生、とても上手に読み聞かせしてくれたそうです。
「とってもおもしろい絵本だった。」と、保育所のお友達にも言われて、わが子はとても嬉しかったようです。
気に入った絵本はしつこく何度も何度も読み聞かせをせがむので、この本は本当にたくさん読ました。
全て読み終わったあとに、「さて…きみは我が家の〇〇(子どもの名前)かな?」と、言って、こちょばしたりひっくり返したり、揉んだり、こすったりするところまでが一連の流れです。
この追加される遊び部分も楽しみなようで、何度もせがまれましたが、時間があるときしかしっかり読めません。
小学校低学年のオススメ絵本にも選ばれていたようで、上の子は読書感想文のために読んで、感想文を書いて提出していました。
物事のみかたを変えるというのは、いい大人でも難しい事だと思います。
それを、優しく誘導しながらもなおかつ楽しめる絵本という存在がとても有り難かったです。
幼児むけ絵本からの切り替えのきっかけになった絵本でもあるので、我が家ではとても大切な絵本の一冊です。