おすすめの年齢:3歳ぐらいから
主人公のなっちゃんのお家に赤ちゃんがやってきました。なっちゃんはお姉ちゃんになりました。
ママは赤ちゃんのお世話で忙しいので、なっちゃんは自分で牛乳を入れたり、ボタンを留めたり、髪を結んだり、自分1人で頑張ります。
でも疲れて眠くなった時はママに「ちょっとだけ抱っこして」と甘えます。
ママは「ちょっとだけじゃなくていっぱい抱っこしたいんですけどいいですか」と優しく言います。なっちゃんはママの匂いをいっぱい嗅ぎながらいっぱい抱っこしてもらいました。
この絵本はお姉ちゃんになったなっちゃんの、少しづつ成長している姿が描かれていますが、最後のママの言葉の中には、ママがなっちゃんに対する優しい気持ちが込められていて子育てしているママの心に響くと思います。
私にも2歳離れた子供がいます。下の息子が生まれた時は、上の娘は2歳というちょうどイヤイヤ期の最中でした。毎日24時間赤ちゃんのお世話につきっきりだったので上の娘はよくおじいちゃんや主人にみてもらっていました。
ある日、主人がこの絵本を買ってきてくれました。私も以前からこの絵本を知っていたので嬉しかったです。そして娘にすぐ読み聞かせてあげました。
絵本の最後の方の「ちょっとだけ抱っこして」となっちゃんが甘えてくるところで私は涙が出てきました。娘は赤ちゃん返りがなく、私が息子につきっきりでもあまりわがままを言いませんでした。本当は我慢しているのかもしれないなと思うと、それまで娘にあまり構っていなかったことに気づきました。
この絵本のなっちゃんはママが大変なのを理解し、自分1人で頑張ろうとします。牛乳を入れること、ボタンを留める、髪を結ぶ、ママがやっていてくれたことを思い出し、ちょっとだけ自分1人でできました。
私が気づかなかっただけで、ひょっとすると娘もなっちゃんと同じように1人で頑張っていたのかもしれません。ママと遊びたい時に遊べない、それを我慢することも娘なりに頑張っていたのだと思います。
この絵本を読み終えた時、私はとても反省しました。赤ちゃんのお世話を優先するのは当然のことだから、娘はおじいちゃんや主人に任せればいいと心のどこかで思っていたと思います。娘の気持ちを全く考えていませんでした。
それから私は意識して娘に目を配るようになりました。なっちゃんのように日々できることが増えその成長を見守ることがとても楽しかったです。
娘にとっても赤ちゃんの存在はとても大きく、一緒に遊んであげたり横で添い寝してあげたりと優しい気持ちが芽生えました。この絵本の最後のページはなっちゃんが赤ちゃんをあやしている絵です。それもとても微笑ましいです。
この絵本は子供の視点で描かれていますが、それがママたちにとって心打たれる内容になっています。
これを読むと、自分の子供をいっぱい抱っこしたくなります。
そんなお姉ちゃんはいろんなことを頑張って一人でやっていてもまだまだ小さな女の子、赤ちゃんが眠っている間に、ママにちょっとだけ抱っこしてほしいと伝えます。
そのあとのママのセリフは涙なくしては見れないほど共感します。
3. その絵本を読み聞かせた時の体験談を教えてください。(800字以上 2,3行ごとに空行をいれて下さい)
私がこの本を手に取ったのは、2人目を妊娠し初期のころ切迫早産で自宅安静をよぎなくされ、上のお兄ちゃんを一時保育に入れた時でした。
毎日旦那さんに送ってもらう息子は保育園が近づくと『あっちにいこう!』と保育園とは逆方向に行こうとして大泣きしていたようです。
安静にしないといけない私にとって、息子がこんな形で保育園に行くことになって申し訳ない気持ちと、息子の思うように遊ばせてあげることができなくなってしまったことへの申し訳なさでいっぱいでした。
それでもなんとか絶対安静から解放された私は、本屋さんでこの『ちょっとだけ』の本に出会いました。
子供に読ませる前に、1度読んだ私は号泣でした。子供は親の行動を見て、子供なりに成長しようとしてくれているのだと感じる内容でした。
我が子に読み聞かせるときは『なっちゃん』という登場人物の女の子の名前を息子の名前に変えて、読んであげました。
息子はとてもうれしそうに絵を追いながら聞き入ってくれていました。
そして最後のママとなっちゃんの会話に『ちょっとだけでいいから抱っこして』というなっちゃんにママが『ちょっとだけじゃなくていっぱい抱っこしたいんですけどいいですか?』と尋ねる場面では、息子は満面の笑みで私の方を見て『なっちゃん良かったね』と言っていました。
そして私は息子に『赤ちゃんが生まれても○○君もいっぱい抱っこしていいですか?』と聞くと、なっちゃんのように『いいですよ!』と答えてくれました。
その後、下の子が生まれるまで何度も繰り返し読みました、下の子が生まれてからは息子が読み聞かせをしてくれていました。
毎日の子育て奮闘の中、何度も繰り返して読んだこの『ちょっとだけ』の本。
息子は暗記していて、下の子に読み聞かせてくれるのですが、その姿は保育園の先生が子供たちに絵本を読み聞かせるときの姿でした。
それを見たときに、息子の頑張りと保育園での経験が大きく成長させてくれていたのだと実感しました。