おすすめの年齢:4歳ー6歳
なっちゃんのバケツのあらすじ
主人公はなっちゃんという女の子が大事にしている黄色いバケツです。
黄色いバケツはいつもなっちゃんと一緒。色々な思い出があります。
ある日、バケツはいつもと同じようになっちゃんとお出かけをします。おとなりののんちゃんも一緒。
お花を詰んだりしながら遊んでいるとなっちゃんが転んで怪我をしてしまいます。
のんちゃんはなっちゃんをたすけ、お家まで連れて行ってあげるのですがバケツを置いて帰ってしまいます。
雨も降ってきて心細さから泣き出してしまうバケツですが、バケツを置き忘れてきてしまったことに気づいたなっちゃんが迎えにきてくれて、無事一緒にお家に帰ることができました。
この本の好きなところは、お互いにすごく大切に思っているという点がとてもよく伝わってくるところです。
読み聞かせる際にも、相手を思いやるセリフのシーンでは出来るだけ感情を込めて読み聞かせるようにしています。
なっちゃんのバケツの感想
この本は長女が幼稚園で頂いてきた本で、初見で読み聞かせた際に、事もあろうに私が涙目になった名作です。
物語序盤では柔らかいタッチの挿絵で、グラデーションも綺麗でいい絵だなと思いました。
子供達も黄色いバケツやなっちゃんの挿絵を指で触りながらお口やお鼻をなでなでしながら聞いていました。
2人の思い出が描かれたシーンを読み聞かせていると、砂遊びを描写した挿絵をみた長女は、幼稚園でお砂場遊びをした話を聞かせてくれました。
また、なっちゃんが黄色いバケツの上に座って絵本を読んでいる様子を描写した挿絵を見ては、バケツに座ったら危ないから絶対ダメだと、誰の口調を真似てかはわかりませんが一生懸命に怒っていました。
なっちゃんとのんちゃんが野原でお花を積んで遊んでいるシーンではたくさんの白いカミツレが描かれたページはとても綺麗な色合いで、子供達も「お花キレイ!」と喜び、またここでも長女は体験談を披露。
実際に子供達が経験している遊びを中心にストーリーが作られているので、子供が挿絵にある遊びや風景をみて、自身の記憶を思い出して話聞かせてくれるので、普段の会話だけでは聞いたことのないお話をかけるので楽しいなと感じました。
そして、物語の方ではとうとうなっちゃんが転んで怪我をしてしまうシーン。
黄色いバケツはなっちゃんが怪我をしてしまったことで大慌て。のんちゃんが助けてくれる様子をみて安心したのですが、自分が置いていかれてしまったことに気づきます。
この黄色いバケツが、自分が置いていかれてしまったことに気づいた時の挿絵の切なさがなんともたまりませんでした。
子供達は「バケツ忘れてるー!」となっちゃんたちに聞こえるようにと大きな声で呼びかけてあげていました。
雨が降り出し心細くなったバケツはとうとう泣き出してしまうのですが、雨が小降りになってきたのと同時になっちゃんが迎えに来てくれるシーンで見せた黄色いバケツの満面の笑顔となっちゃんがぎゅっと抱きしめてくれたと喜ぶ黄色いバケツの純粋さに私が目頭を熱くしてしまいました。
子供達はなっちゃんが忘れて行ってしまったことについてぶーぶー言っていましたが、私は素晴らしい作品だと思いました。