読み聞かせにおすすめの絵本
おすすめの年齢:4~5歳
はじめてのおつかいのあらすじやおすすめポイント
みいちゃんという5歳の女の子がお母さんにおつかいを頼まれて、一人で牛乳を買いに行く話です。
みいちゃんのうちには赤ちゃんが生まれたばかりでそのあかちゃんのためのお買い物です。一人で出かけるだけでも5歳の子どもにとっては大冒険ですが、途中自転車が横を通り過ぎたり、転んでお金を落としたり。
けがまでしてしまいますが、泣き言一つ言わないで頑張るみいちゃん。お店についてもなかなかおばさんに気づいてもらえなく、最後に勇気をだして大声で声をかけます。安心して涙をこぼすみいちゃん、お釣りももらわず走って帰ります。
おつりももらって帰っているとお母さんが赤ちゃんを連れて迎えに来てくれています。大人の思う大冒険ではなくても、子供にとって日々の生活の中に冒険はたくさんあるのです。林明子さんの絵本はそういう子供目線で日々の日常が描かれています。
読んでいると、子供たちは、本当に不安そうな顔で聞いています。そして、みいちゃんがトラブルに会うたびに「アッ!」という顔をします。すっかりみいちゃんの気持ちになってしまいます。
最後に裏表紙の描かれた絵には、みいちゃんが傷の手当てをしてもらい、自分の買ってきた牛乳を飲みながら満足げな顔をしています。本編にはこの姿にみんなほっとします。聞いている子供たちの中でも物語は完結するのだと思います。
ちょうど下の子が生まれておねえちゃんになった子供に読んであげたい一冊です。
はじめてのおつかいを読み聞かせた時の体験談
上にも書きましたが、こどもたちはすっかりお話の中に入り込み、みいちゃんの気持ちでドキドキしています。まず、5歳でおつかいにひとりで行くという場面では、「私一人で行けない!」とか「私行けるよ!」と口々に言います。最近は子供が一人で出歩くということは防犯上できないことですから、驚き方は年々大きくなっています。
そして、読み進めると、聞いている子供たちは場面ごとに真剣な反応をみせてくれます。お金を探す場面では必死に探して「あった!ここだよ!」と教えてくれたり。また、私が「ぎゅうにゅうください!」と大声で言った瞬間、自分もぽろっと涙がでてしまった子もいました。
実際わが子に初めて読んだのは、ちょうど娘が3歳で弟が生まれたときでした。やきもちからあかちゃんの世話にじゃまばかりだった娘ですが、大好きな1冊になり、何度もせがまれたことを覚えています。親の私も弟と同じものを娘にあげたり、彼女の自尊心を大切に思うことを学んだ大切な本になりました。