読み聞かせにおすすめの絵本
ちょっとだけ (こどものとも絵本)
おすすめの年齢:2歳~
ちょっとだけのあらすじやおすすめポイント
かわいい妹が産まれた主人公のなっちゃん。今までママを独り占めしてきたのになかなかゆっくり構ってもらえません。
ママに色々お願いしたい事があるのだけれど赤ちゃんのお世話に大忙しで、なっちゃんも少し遠慮してタイミングを逃してばかり。
でもなっちゃんは、我儘言ったり癇癪起こして泣いて主張したり、ママを困らせるような事はしません。
今までママが当たり前にしてくれたいた事を、ちょっとだけ一人で頑張ってみようと試みます。
髪を結んだり、コップに牛乳を注いだり、お着替えしたり。
忙しいママへの気遣いと、少しの淋しさと、「お姉ちゃん」という自覚に本当は心と頭が混乱する筈なのに静かに健気に挑戦し続けます。
「ちょっとしかできなかった」ではなく、「ちょっとだけできました」と笑顔になるなっちゃん。
そんななっちゃんを忙しい中でもママはちゃーんと見ていてくれます。
そして、最後の嬉しいご褒美にホロリとさせられます。
ちょっとだけを読み聞かせた時の体験談
長女が3歳の時に次女が産まれました。
やはり情緒不安定で赤ちゃん返りも激しく、次女のお世話で大忙しな私は長女の気持ちを想像する余裕もありませんでした。
初めてこの本を布団の中で読み聞かせた時、気付いたら長女が私の腕にしがみついて静かにしくしくと泣いていました。
「どうしたの?」と尋ねても何も答えてはくれませんでしたが、きっと、健気に頑張るなっちゃんの後ろに見え隠れする沢山の「我慢」を長女なりに感じ取り共感したのかなと思います。
当時「やだやだ!」と我儘放題の長女に私もほとほと困り果て、疲れてしまっていたのですが、よくよく考えると、いつの間にか長女を後回しにすることが多くなっており、あんなにしていた「抱っこ」もしなくなっていたのです。
親の私が気付かない「我慢」を沢山してくれていたのだなあ・・・と泣いてる長女を見て申し訳なくて
私も一緒に泣いてしまいました。
ですが長女はこの絵本が大好きで「読んでー」と自分で布団まで持ってきます。
読み重ねていくうちに視点が変化して、なっちゃんの頑張りを褒めてあげたり、赤ちゃんと自分の妹の足の角度がそっくりだと笑ったり。
この本を通して家族が増えたことを長女なりに少しずつ受け入れてくれたようです。