読み聞かせにおすすめの絵本と最適な年齢を教えてください。
おすすめの年齢:5歳~小学生
かたあしだちょうのエルフ絵本のあらすじやおすすめポイントを教えてください。
アフリカの草原。たくましくみんなの憧れの存在であるダチョウのエルフは、仲間たちと楽しく元気に暮らしていました。
エルフは子供たちが大好きで、子供たちもエルフが大好き。
ある時、子供たちを狙って、肉食獣のジャッカルがやってきます。
エルフはライオンの鳴き真似をすることで子供たちを守ります。ますます尊敬されるエルフ。子供たちの母親もますますエルフを頼りにしていきます。
ところが今度は本物のライオンが子供たちを狙ってやってきます。懸命に戦い、ライオンに勝利するエルフですが、なんと彼の片足はライオンに食いちぎられてしまったのです。
片足となったエルフは、動けません。子供たちとも遊べません。初めこそ餌を持って来てくれていた仲間たちも、次第にエルフのことを忘れていき、エルフは砂や骨や木の根などを食べながら、子供たちの遊ぶ声を慰めに生きていました。
そんな頃、また現れた肉食獣。クロヒョウでした。逃げ遅れ、狙われる子供たちを守ろうと、動けない身体の中、懸命に叫びます。
「みんな、ぼくの背中に乗れ!」
子供たちを守りながら、くちばしだけでクロヒョウと戦うエルフ。最後の力を振り絞り、なんとかクロヒョウを追い払うことに成功します。
「ありがとう、エルフ!」
子供たちのその声は、しかし、意識朦朧のエルフに届いたのでしょうか。
子供たちが見上げたとき、エルフは片足ダチョウの形をした大きな木になっていました。その下には、エルフの涙でできたかのような池が広がっています。
木になったエルフは、森に木陰を作り、その下の池では動物たちが楽しく穏やかに暮らすのでした。
かたあしだちょうのエルフ絵本を読み聞かせた時の体験談を教えてください。
泣かずに読み聞かせを最後までするのが難しいくらい、怖く、また悲しい物語でした。
ライオンやクロヒョウなどが影絵のような怖さがあり、 さらに足を食べられてしまうという衝撃的な展開は、子供たちだけでなく、私自身も泣いてしまいました。
しかし内容的には、深く考えさせられるものだったと思います。
小さい子は、皆口々に「エルフがかわいそう」 という感想を述べていました。
しかし、小学校に上がってくるころになると、「エルフのような心の広さを持つことが大事なんだと思う」という深い感想を言うようになりました。
役に立たなければ、障がいがあれば。忘れられて、のけ者にされるのが、悲しいけれども現実世界です。
元気で強くて尊敬されて人気者で、たくさんの仲間いたエルフですが、片足がなくなり、弱くなったエルフは、忘れられて、相手にされなくなって捨てられる。
それは人間も変わらない。
この間まではヒーローだった人が、あっという間に忘れられていくのを、小さいながらも子供たちは目にして生きています。
それでも、みなから忘れられて、食べるものがなくなっても、子供たちの事を思い続け、最期の力を振り絞ってでも献身的に仲間のために尽くすエルフを見て、「努力は報われるんだ」「優しい心を持ち続けたい」という感想が出てきたことに、また涙が出るほど感動したのを覚えています。